システム開発のユーキャン、歩数計付き携帯使い高齢者見守り
2014年02月05日日経新聞
システム開発のユーキャン(宇都宮市、山田義治社長)は歩数計機能付きの携帯電話を使った高齢者向けの見守りサービスを全国展開する。専用の簡易携帯を高齢者に持たせて歩数情報を離れて暮らす家族らに伝え、早期に高齢者の異常を察知することを狙う。専門の人員を配置し、歩数情報などを高齢者本人にも定期的に伝え、健康増進にもつなげる。
サービスの名称は「歩くのみまも~る」で、栃木県内で実証実験を開始した。4月から正式販売する予定だ。個人向けのほか、自治体や介護施設など大口の需要を想定している。
すでに、大手通信会社が見守り機能のついた携帯電話を使ったサービスを展開している。ユーキャンは人員を配置した専用のサービスセンターを設置。「電話対応など人的サポートを組み合わせたことが特長」としており、差別化を狙う。
専用の携帯には歩数計や動きを感知するセンサーを付けた。「いつもより歩数が少ない」「センサーが感知しない」などの異常を察知すれば、センターが高齢者に安否確認の電話をする。緊急ブザーも備え、いざという時に家族に緊急通報できる仕組みも取り入れた。全地球測位システム(GPS)により高齢者の位置情報もわかるようにした。
歩数情報をカレンダーに書き込み、月1回程度「健康だより」として、利用する高齢者に郵送する。目標の歩数を達成すればプレゼントなどを用意し、日常運動の動機づけとする。異常がなくても、センターから電話による声がけを定期的に実施する。
月額料金はサービス利用料と専用機器の貸出料金を含め4000円程度を予定している。このほかサービス加入時に初期費用が必要。北関東3県を中心に全国販売し、初年度に500件の利用を目指す。
ユーキャンは携帯電話の歩数計を使った見守りサービスの試験運用を栃木県那須烏山市で実施してきた。試験運用で明らかになった問題点を改善し、4月からサービスを正式に開始する。