県:高齢者支援、データ放送 健康管理や安否確認−−全国初/広島
2014年01月18日毎日新聞
県はこのほど、テレビの地上デジタル放送のデータ放送を活用し、高齢者の健康管理支援情報の試験放送を県内全域で始めた。県内の検診情報の発信のほか、見守りメールの配信機能も設けて高齢者の安否を確認できるシステムを整えた。同様の取り組みは全国初といい、モニターアンケート調査によるコンテンツ改修を行い、来年度からの本格運用を目指す。
県の行政情報や健康管理情報を効果的に伝えようと企画。テレビのリモコンを通じて高齢者も簡単に操作できるデータ放送の活用を考案し、昨年7月からシステム開発を進めていた。同11月には福山市や尾道市、神石高原町など県東部で試行画面放送を流し、モニターアンケート調査を実施。システム名称は「生き生き地域サポート」で、公募で選ばれた中国放送で配信する。
データ放送では、検診・感染症情報や市町の病院・診療所を掲載する。また介護用品や住宅リフォームの情報や高齢者向けの減塩レシピの紹介なども行う。見守り支援では、インターネットに接続しているテレビに限り、高齢者がデータ放送にアクセスしたことを遠隔地の家族などにメールで連絡するシステムを構築した。
また、大手健康機器メーカー「タニタ」などと連携し、体重や血圧などの健康状態をテレビ画面上で確認できる機能も付けた。湯崎英彦知事は「高齢者が住み慣れた地域、自宅で安心して暮らすことにつながるのではないか」と期待を寄せている。【中里顕】