IT活用し高齢者見守り 富士見町がシステム構築へ基礎調査

2013年12月07日長野日報

 富士見町は、一人暮らしの高齢者や障害者らの安否を、各種センサー(検知・計測機器)で24時間見守り、異常をいち早く町や福祉関係者に知らせるITシステムの構築に向け、近く基礎調査に着手する。調査期間は来年3月上旬まで。事業費は1584万円で、全額国の補助で賄う。調査では市販の各種センサーの性能を検証し、運用方法の研究、導入・維持費の試算など進める方針だ。6日に開いた町議会全員協議会で計画を説明した。

 総務省が公募した、「ICT(情報通信技術)街づくり推進事業」の今年度の受託先候補に選ばれた。同事業は、地域活性化や地域課題の解決に向けて、ICTを活用した街づくりや、国内外への普及展開するための計画立案に助成する。

 富士見町は、見守り希望者の自宅に、人の動きを感知するセンサーや血圧の変化を捉える計測器、電気使用量の増減を監視する装置などを置き、町が2011年に導入した情報管理の「要援護者支援システム」と接続。病気やけがなど万が一の際、早期に救護できる体制を目指す。

 現在、同町は押しボタンで救護を要請できる電話回線を使った緊急通報システムを運用している。一人暮らし高齢者ら約80世帯が登録し、毎月1、2件の利用があるという。

 今回の計画では、町内の要援護者約3000人のうち、情報開示に同意した約1800人の利用を見込んだシステムの構築を目指す。IT機器による見守りで、「要援護者宅を訪問、支援している民生・児童委員や、地区社協役員の活動を補い、負担軽減につながれば」(町)とも期待する。

 小林一彦町長は、「調査で試行運用の見通しをつけ、ITテクノロジーで町民の安心・安全を守る体制を強化したい」と話している。