福岡市の「見守りダイヤル」開始1カ月 要支援の通報2件

2013年09月05日西日本新聞

 福岡市は、高齢者や障害者の孤立死を防ぐために、8月に運用を始めた通報窓口「見守りダイヤル」の約1カ月間の利用状況をまとめた。通報は5件あり、うち2件が自宅で倒れていたなど、支援が必要な状況だったという。市は「深夜の対応や家への立ち入りなど、ふだんの地域活動では困難な部分を補いたい」と周知を進めている。

 見守りダイヤルは、市から委託を受けたNPO法人孤立防止センター(同市)のスタッフが24時間携帯電話で通報を受け付け、必要に応じて現場に出向く(現場での対応は午前8時~午後8時)。

 8月12日からの運用開始について、市が7月末に発表したところ、同31日には、市民から「知人の携帯電話がつながらない」と通報があり、博多区の90代男性が自宅で体調不良で寝込んでいるのを見つけた。運用開始後の8月20日には、住宅管理会社から「住民と連絡が取れない」との通報を受け、管理会社が立ち会い南区のアパートの一室を確認したところ、住人の60代男性が食事を取れずに倒れていた。

 いずれも命に別条はなかったが、1人暮らしのため民生委員などに注意を呼び掛けたという。

 市民から「においがする」と通報があり、1人暮らしの男性が自宅で死亡していた例が2件。西日本新聞販売店から「新聞がたまっている」と通報を受け、入院中と確認できたケースもあった。

 市は、地域の集まりなどに同センター職員を講師として派遣する無料の孤立死予防出張講座も開いている。講座申し込み=092(474)6002。見守りダイヤル=080(9100)0883。