日本郵便、高齢者の安否確認サービス 10月スタート

2013年08月26日朝日新聞

 日本郵便は、高齢者の暮らしぶりや健康状態を確認して家族などに伝える「郵便局のみまもりサービス」を10月から有料で始める。親会社の日本郵政が2015年に目指す上場に向け、郵便局網や地域とのつながりなどの強みをビジネス化する。

 サービスの基本料金は税込みで月1050円。月1回、郵便局員が高齢者の自宅を訪ねたり、郵便局が開く食事会に招いたりして、高齢者の様子を確認し、その結果を報告書にまとめて利用者に送る。業者に委託して、高齢者が健康や日常生活の悩みを話せる24時間の電話相談もする。

 9月2日から申し込みを受け付け、10月1日からサービスを始める。まずは北海道と宮城、山梨、石川、岡山、長崎の各県内の一部地域の計103局で導入する。高齢者の割合が多く、コンビニなどが近くにない地域を選んだ。1局あたり6人程度の利用を見込む。15年度から全国に広げることを目指す。

 追加のサービスもある。毎日高齢者に自動音声で電話をかけ、自分の健康状態を番号を押して伝えてもらう体調確認サービス(月800円)などだ。米などの重くかさばる商品を高齢者宅に届けておいて、使った分だけ代金や手数料をもらう買い物支援もする。「置き薬」のような仕組みだ。

 郵便局は地域との関係が深く、職員らが配達の際に高齢者に声をかけたり、局舎を地域のふれあいの場に使ってもらったりする取り組みをしてきた。この基盤をビジネスにした「みまもりサービス」では、月1回必ず郵便局員が高齢者の様子を直接確認する。

 日本郵政の郵便事業は、13年3月期決算で4年ぶりに黒字に転換したが、郵便物の減少などで減収傾向が続いており、将来の収益の確保が課題になっている。