パナソニック家庭向け節電事業、5年間で売上高倍増へ
2013年08月22日産経新聞
パナソニックは21日、家庭の消費電力を把握できる「見える化システム」などスマート節電事業の売上高を今後5年間で倍増し、1200億円規模とする方針を明らかにした。原子力発電所の停止に伴う電力不足が深刻化する中、機器の性能や販売体制を強化し売り上げを伸ばすほか、通信機能を備えた次世代電力計(スマートメーター)にも参入する方針だ。
パナソニックは、昨年10月に発売した電力の使用量を薄型テレビやスマートフォン(高機能携帯電話)などを使い、リアルタイムで確認できる機器を改良。今後は自動的に家電の消費電力を制御する機能を付加するという。
また、昨年11月に提携したスマートメーターを製造する米アイトロン(ワシントン州)の計測装置に、自社の通信機器を組み合わせたスマートメーターを、数年以内に国内で販売する方針。これらの施策により、家庭向け節電事業の売上高を600億円から倍の1200億円に増やす考えだ。
このほか、家庭の消費電力管理の技術を応用し、将来的には家電の使用状況を元に独居の高齢者の安否を、遠隔地に住む家族に知らせる安否確認サービスなどへの参入も検討している。
パナソニックは、住宅関連事業全体で30年に2兆円規模の売上高を目指している。電力制御技術を生かした幅広い事業で、家庭向けビジネスを底上げする方針だ。