県営住宅、安否確認が好評
2013年05月20日読売新聞
県営住宅に入居する高齢者に電話し、安否を確認する県住宅供給公社の「高齢者テレフォン安心サービス」が好評だ。月2回、決まった曜日・時間にかかってくる電話に健康状態や、近況を話し込む利用者もいるという。
「お体どうですか」「寒さが戻ってきましたが、外には出ましたか」――。5月1日午前10時半、静岡市葵区の同公社事務所で、小野寺幸生さん(41)ら2人の職員が、電話で高齢者に語りかけた。電話を心待ちしている入居者もいるといい、病院や、買い物の話など5分程度話し込む人も。小野寺さんは「優しい声でゆっくり話すよう心がけています」と話す。
県営住宅に入居する65歳以上の高齢者のみの世帯は、2000年には1312世帯だったが、12年は3344世帯と約2・5倍に急増。孤独死も起きている。
同公社は、入居者の情報を知る管理者の立場を生かし、体調不良などの変化を察知しようと、11年9月に電話による安否確認サービスを始めた。
事務所から近い静岡市や沼津市、浜松市などの県営住宅に住む65歳以上の高齢者のみの世帯が対象だ。曜日や時間帯の希望を聞き、電話する日時を記したカレンダーを郵送する。利用料は無料で、「体調が悪い」などの内容は親族に連絡する。利用者の反応はおおむね好評だ。
浜松市の県営住宅に妻と暮らす加藤伸吉さん(83)は「若い方が体をいたわってくれるので、つい話し込んでしまう」と話す。
11年度は64世帯だった利用者数は、12年度は151世帯に増えた。このうち140世帯が希望し、13年度も事業は継続されることになった。今後は湖西市や熱海市など、事務所から離れた場所でのサービスも検討する。
電話の安否確認サービスは、静岡市も今年4月から、市営住宅の80歳以上の一人暮らし世帯を対象に同様のサービスを実施している。