LEDで高齢者の安否確認 半田・岩滑、民家に設置
2013年05月19日中日新聞
半田市の自治区「岩滑区」などが今月、高齢者だけで暮らす世帯など区内の民家六軒の軒先に、住人の安否を光の色で周囲に知らせる発光ダイオード(LED)を設置した。今後は対象世帯を増やし、住民同士がさりげなく互いを見守る関係の構築を目指す。
LEDの色は、室内のスイッチで青とオレンジ色に切り替えられる。「日中は青、夜間はオレンジ色を住人がともす」と取り決め、近くの複数の世帯で互いに色を確認し合う。色が変わらない場合、その世帯の安否を確認する。
一連のシステムは、京都市東山区の先進事業を参考に、防犯機器メーカーの協力を得て開発。愛称は、地元出身の童話作家・新美南吉の代表作「ごんぎつね」にちなみ、「ごんの灯(あか)り」と名付けた。
LEDの後ろに白色の板を取り付け、光が反射して明るく見える工夫もした。機器の代金と設置費は当面無料で、LEDの点灯にかかる電気代は月額八十円ほど。実際に設置した高齢者からは「見守られているという安心感がある」との喜びの声が上がっている。
東山区の事業を発案した京都女子大家政学部の山田健司准教授(55)が十八日、岩滑区民館で講演。孤独死の防止だけでなく、住民同士の交流の活性化や犯罪抑止などにも効果があると説いた。
岩滑区参与の後藤章次さん(66)は「区の高齢化率は26%を超え、超高齢社会といえる。助成が終わっても事業を続けたい」と話している。
この事業は、日本生命財団(大阪市)の助成を受けて進める「安住のまちづくり」の一環。地元のNPO法人「りんりん」、市社会福祉協議会なども協力している。