テレビ電話で高齢者を見守り /広島
2013年03月25日中國新聞
司法書士や税理士などでつくる広島市中区のNPO法人「心の絆ネットワーク」が安佐北区の高陽ニュータウンで5月中旬から、テレビ電話機能付きの端末を使った見守りや買い物代行のサービスを始める。住民が高齢者を支える市民後見人の養成講座も計画している。
希望者に26センチ四方でカメラ、マイク付きの端末を貸与する。体調に異変を感じたら、タッチパネルを操作してコールセンターの職員に病状を説明。職員は医療機関に連絡するなど24時間体制で対応する。買い物は南区の流通業者に端末から直接、食品や生活雑貨の注文が届く。
既にインターネットの回線が家庭にあれば、利用料は月額3800円。団地の坂道で出歩くのが難しくなってきたお年寄りたちを中心に、当初は500世帯の利用を目指す。
同法人が団地内の広島県住宅管理センターと運営する任意団体を設立する。昼間は中区の税理士事務所に置くコールセンターの職員が連絡に応じ、夜間は業務を外部に委託する。
同法人は2011年に発足。当初からニュータウンで税務相談会などを続けてきた。お年寄りから生活上の相談や将来への不安を聞き取るうち、暮らしやすい団地づくりに直接かかわり始めた。
市民後見人の養成講座は4月20日から、団地内のフジグラン高陽で開く。7月27日まで計10回、弁護士や司法書士から民法や後見人の実務を学ぶ。定員30人。受講料は4万2750円。
同法人の塚永行理事長は「法律の専門家と住民が協力して、お年寄りを支えるモデルをつくりたい」と話している。同法人=電話082(221)8606。