見守りネットワークセンター:孤独死防げ! 福岡市、全国初設置 24時間365日、通報受け現場急行

2013年02月23日毎日新聞

 福岡市は、高齢者や障害者の孤独死を防ぐため、異変に気付いた人からの緊急通報を受け付ける「見守りネットワークセンター」を設置する。365日24時間、市内全域からの通報を専用ダイヤルで受け付け、現場を調査する取り組みは全国初。来年度の当初予算案に約2200万円を計上し、今年7月の運用スタートを目指す。

 孤独死防止に関する勉強会開催などの活動を続けている福岡市内のグループに、市がセンター設置を提案。現在、このグループはNPO法人設立を目指しており、市はセンター運営を委託する計画だ。一方で市は、新聞販売店や郵便局、ライフライン事業者など、各戸を直接訪問する機会が多い業者と協定を結び、センターへの通報を呼びかける計画も進めている。

 これまでは、区役所や福祉事務所などが就業時間内に異変連絡を受ければ、職員や民生委員が現地訪問していた。しかし、就業時間外ではすぐに連絡が取れないため、防げるはずの孤独死を防げていない恐れがあった。福岡市内の65歳以上の孤独死は301人(11年)で増加傾向にある。

 厚生労働省地域福祉課の西尾典弘課長補佐は「市内の情報を集約し、ワンストップで現地確認できれば、確率は低くても救われる命はあるはず。(福岡市の取り組みは)とても有効」と評価。市地域福祉課は「センター設置で民生委員など地域の負担を減らし、孤独死をゼロにしたい」と意気込んでいる。【関東晋慈】