「耳」使って高齢者見守り/広島

2013年02月08日中國新聞


 広島市は2013年度、広島市立大(安佐南区)の研究者が開発したユニークな技術を活用し、お年寄りの見守り活動を支援するシステムづくりに乗りだす。イヤホン型の装置でお年寄りの動きや健康状態を把握し、異常があれば家族にすぐに知らせる仕組み。16年度の実用化を目指す。

 活用するのは同大大学院の谷口和弘講師(ロボット工学)が開発したイヤホン型の「みみスイッチ」。目を見開いたり、舌を出したりといった顔の筋肉の動きを耳の中で捉えるセンサーを内蔵。それを信号に換えスイッチの役割を果たす。例えば音楽プレーヤーなどの機器を操ることができる。

 この装置を、独り暮らしのお年寄りたちの見守り活動に応用する。せきやくしゃみ、食事時間を把握できるほか、体温、脈拍も測れるよう改良。スマートフォン(多機能携帯電話)を経由して、システムを運用する事業者に情報を伝える。

 異常があれば、事業者から家族や見守りボランティアなど地域の人の携帯電話やパソコンに連絡。救急搬送などの早期対応につなげる。

 市と市立大は、みみスイッチを改良する地元企業を選定。完成後、医療機関などと連携してシステムを試行する。