セーラー万年筆、独居老人の安否確認サービス提供、生体赤外線装置を使用
2012年12月13日日刊工業新聞
セーラー万年筆は、独居老人の安否を確認するサービスを2013年1月から開始する。鈍渡技研電子工業と業務提携し、同社が開発した生体赤外線監視装置「anScen(アンシーン)」を用いて生活状況や異常を感知し、自動でメール送信するサービスを行う。文具、産業用ロボットに続く新たな収益源に育てる。独居老人の見守りのほか、単身女性宅やオフィスなどの簡易な警備システムとして提案する計画。装置の価格は4万7,500円、サービスは月額2,800円。1年間で1,500台を販売し、約6,000万円の売り上げを見込む。
装置付近を通過した際に赤外線で感知して回数をカウント、装置内蔵の通信モジュールで特定のアドレスにメール送信する。高齢者見守り用の機能として、1日のカウント数を毎日通知して日常生活を確認できるほか、一定時間検知しない場合も通知することができる。留守宅を侵入者から警備するのに用いる場合は、異常検知すると警報音を鳴らしたり、短い間隔で感知するとメール通知したりできる。メールの送信先は最大10人まで選択できる。
監視カメラの導入が不要なため、監視による精神的負担が大幅に軽減できる。カメラやインターネットなどの設置工事が不要で、メール通信費や電気代以外のランニングコストもかからない。
装置は鈍渡技研電子工業が開発し、一部地域で発売中。これまでに「自治体が20台を一括購入して貸与し、集中管理ソフトを利用して地域の見守りに使うケースもあった」(セーラー万年筆 電子文具事業部)という。
セーラー万年筆は語学教材などで使う「音声ペン」シリーズで、介護・リハビリ用に指さし会話できる音声ペン用冊子も販売している。