「見守りマップ」作るコツ HPに 埼玉の研究所「孤立死防止に役立てて」

2012年12月05日読売新聞

 住民が主体となった地域の支え合いを研究する「住民流福祉総合研究所」(埼玉県毛呂山町)は、高齢者らの「見守りマップ」を作る手順やチェック表をまとめ、ホームページで公開した。「孤立死の防止に役立てて」と呼びかけている。

 同研究所は、近所で困っている人がどこにいるのかなど、地域が抱える課題を住宅地図に書き込んで、全体像を把握する「支え合いマップ」作りの普及を行っている。

 今回、孤立死を防ぐための「見守り」に絞った地図を作る「聴取・記入ノート」をホームページ(http://www5a.biglobe.ne.jp/~wakaru/mimamorigentei.pdf)からダウンロードできるようにした。

 ノートには、「身の回りのことができない」「病弱・要介護・障害」など、一人暮らし高齢者らの「気になる度」の判定表のほか、民生委員など訪問する人の名前、買い物に来たときのあいさつでさりげなく見守る近所のコンビニ店員など、「個別の見守り状況」を記入する欄がある。

 ノートに記入するとともに、住宅地図に、見守りの全体像がわかるよう、人のつながりの様子を矢印などで表す。ノートには「異変の伝達ルートはできているか」などのチェック表もあり、地図と合わせて現状の課題を把握できる。ノートや地図の情報は、部外者には知らせないよう注意する。

 作業は、近隣50世帯ほどの単位で行うのが理想で、地元住民が、民生委員や町内会、福祉関係者らと一緒に行う。

 同研究所の木原孝久さんは「散歩やスーパーで出会う人まで調べて見守りの人材を見つけ、さらにきちんと見守ってもらえるように働きかけてほしい」と話す。