ベターリビング サステナブル居住研究センター「緊急通報・安否確認システムによる高齢者の見守りサービスに関するニーズ調査」結果発表

2012年11月29日suumoジャーナル

 一般財団法人ベターリビング サステナブル居住研究センターは、緊急通報・安否確認システムによる高齢者の見守りサービスに関するニーズを把握するため、主に65歳以上の親と離れて暮らす子世代(30歳以上64歳以下)の男女1500人を対象とした調査を実施した。

 高齢社会の進展に伴い、「見守り」が必要な高齢者のみ世帯が増加している。これに伴い、民間事業者による「緊急通報サービス」や「安否確認サービス」等の高齢者向け見守りサービスが提供されるようになり、関連して日々新たな機器・システムが発表されている。一方で、高齢者向け見守りサービスは、需要は大きいとされながらも、実際の契約者は伸び悩んでいるという声も聞かれる。

【調査概要】

  • 調査方法:インターネット調査会社に登録しているモニターを対象にアンケート調査を実施(調査実施機関:マイボイスコム株式会社)
  • 調査期間:
    • 予備調査:平成23年12月 9~11日(本調査対象者を抽出)
    • 本調査:平成23年12月16~18日
  • 本調査対象:次のすべての条件を満たす30~64才までの男女
    • (1)65才以上の親がいる
    • (2)親と同居していない
    • (3)親が施設に入所または病院に入院していない
  • 本調査サンプル数:1,500件
  • 調査項目:離れて暮らす親への心配度、見守りサービスへの加入状況(現在・今後の意向)、加入しない理由(現在・今後の意向)、加入を検討する場合の重視事項・価格帯、自由記入など。

【主な調査結果】

  • 離れて暮らす親への心配度について、「大変気にしている+やや気にしている」とした割合は、離れて暮らす親が父親の場合は77.6%、母親の場合は81.9%と、多くの人が心配に思っていることがわかる。親の世帯構成別では、《ひとり暮らし》の場合に「大変気にしている」割合が高くなっている。
  • 見守りサー
  • ビスへの加入割合(現在)は、《緊急通報サービス》で3.5%、《安否確認サービス》で1.0%、《駆け付けサービス》で1.7%であり、これらの見守りサービスについて「検討したことがなく、加入もしていない」が大多数を占めている。見守りサービスの加入状況は、親の加齢に伴い加入または検討している割合が高くなっている。
  • 見守りサービスへの加入意向(今後)は、「必要と思う時期が来たら加入したい」が45.9%で最も多く、「すぐにでも加入したい(0.8%)」と「数年以内には加入したい(3.9%)」を含めた加入に肯定的な意向を示した方が過半数となっている。親の年齢別にみると、親の加齢に伴って「数年以内には加入したい」と考える方の割合が高くなっている。
  • 見守りサービスに加入していない理由(現在)では、「まだ自分の親には必要ない(時期尚早)」、「親の住まいの近所にあなたやあなたの兄弟・親戚等がいるから」が多く、現時点において見守りサービスの必要性に迫られていないことを理由に挙げる方が多くなっている。
  • 見守りサービスへの加入を検討しない理由(今後)は、「親の住まいの近所に、親を見守ってくれるあなたの兄弟や親戚等がいるから」が最も多く、次いで「見守りが必要な時期が来たら、あなたやあなたの兄弟等と同居を考えているから」が続いている。
  • 見守りサービスへの加入を検討する場合の重視事項は、《サービス加入時の初期費用や月々の支払料金》が66.8%で最も高く、次いで《現場まで駆け付けてくれる時間》の64.0%となっている。
  • 見守りサービス加入時に妥当と考えられている価格帯では、《緊急通報サービスのみ》と《安否確認サービスのみ》では月額「500円未満」が半数程度と比較的安価な価格帯が妥当と考える方が多くなっているが、《緊急通報+安否確認+駆け付けサービス》では月額「3000円以上」が約4分の1となっており、ある程度の負担が必要と認識している方が多いことがうかがえる。《駆け付けサービス》が付加されるなど複数のサービスが組み合わさると料金が高くなると考える方が多いことがうかがえる。
  • 自由記入からは、異変が発生した「いざという時の心配」と、日常の室温管理や通院支援など「日常生活を見守りたい」という2つのニーズが読み取れる。

■ニュースリンク先
http://www.cbl.or.jp/slc/file/mimamori.pdf