都内のサ高住、過半数が利用者確保に苦労─ 東社協が調査

2012年10月09日CBニュース

 東京都内でサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を運営する事業者のうち、半数あまりが利用者確保に苦しんでいることが、9日までの東京都社会福祉協議会(東社協)の調査で分かった。また、都内でサ高住を運営する事業者の半分近くは、介護・福祉関連の株式会社であることも、明らかになった。

 東社協では、8 月21 日から9 月12 日にかけて、都内で登録されているサ高住102 か所のうち、建築中だった21か所を除いた81か所を対象にアンケート調査を実施。37か所から回答を得た。

 調査のうち、運営の課題について尋ねた質問(複数回答)では、「利用者の確保」と答えた事業者が54.1%で最も多く、以下は「職員の確保」(43.2%)、「利用料金と費用の設定」(35.1%)、「介護・医療サービスとの連携」(27.0%)、「運営資金の確保」(21.6%)、「見守りや生活相談機能の整備」(18.9%)、「入退居の調整管理」「近隣との関係」(いずれも16.2%)などとなった。過半数の事業者が利用者確保に苦しんでいる背景について、東社協では「一般市民への制度の周知が十分にできていないのに加え、医療や福祉関係者の間でも、サ高住とどのように連携するかという認識が十分ではないことがあるのではないか」と推測している。

 サ高住を運営する法人種別では、株式会社が67.6%で最多となり、以下は社会福祉法人が13.5%、医療法人が10.8%、有限会社が8.1%だった。法人の業種では、「介護・福祉」(70.3%)、「医療」(10.8%)、「不動産」(8.1%)の順に多かった。2つのデータをクロス集計すると、「介護・福祉」の事業を行う株式会社が、都内のサ高住の半分近く(48.6%)を運営していることになる。

■30%余りのサ高住「原則面積に達しない居室あり」

 最も狭い居室面積と最も広い居室面積について尋ねた質問では、一番狭い居室の平均が25.1平方メートル、一番広い居室の平均は32.6平方メートルとなった。また、原則必要とされる居室面積(25平方メートル)に満たない部屋(※注)があるサ高住は12か所(32.4%)あった。東社協では「東京のような都市部では、25平方メートルを確保するのが難しいのではないか」としている。一方、最も広い居室だったのは58.8平方メートルだった。【多●正芳、●は木へんに朶】

注:居間、食堂、台所その他の住宅の部分について、共同利用に十分な面積がある場合、居室の面積は18平方メートル以上でよい。