情報通信で健康サポート…岩見沢の無医地区

2012年10月05日読売新聞

 情報通信技術(ICT)を活用して地域住民の日々の活動量を把握し、健康作りにつなげる取り組みが年内にも北海道岩見沢市北村地区で始まる。

 同地区は現在、医師不在の無医地区で、医療体制が十分でない地域への健康サポートの手段として注目を集めそうだ。

 北村地区は高齢化率が約30%と高く、2008年3月に診療所が閉鎖されて以降は医療機関がない状態が続いている。市は医師確保に向けた努力を進めているが、医師不足を背景に確保が難しいのが実情だ。

 そのため、市は今年度から北村支所にテレビ会議システムを備えた健康相談コーナーを設置し、電話相談などの健康サポート事業を始めた。さらに支援を推し進めようと、北大大学院保健科学研究院などと協力し、総務省の研究開発費を活用して新事業に取り組む。新事業には健康機器メーカーやドラッグストアなども参加する。

 具体的には、健康機器メーカーが開発した日々のエネルギー消費量などのデータを蓄積できる小さな活動量計が住民30~50人に配布される。蓄積したデータを基に、保健師が運動を促すなど生活サポートや健康相談に応じる。

 来年度には高機能の家庭用ゲーム機を試験配布して、ゲーム機と自宅のテレビを通じて簡単にデータをやり取りしたり、保健師らからテレビ会議でアドバイスを受けられるようにしたりする。独り暮らしの高齢者の安否確認にもつなげたい考えだ。

 岩見沢市は「高齢化が進んだ豪雪地域だけに、在宅で自分の体の状況をチェックできるシステムの構築が必要だ」としている。