2012年10月01日山陽新聞

　日本郵政グループの2社が合併して新会社「日本郵便」が発足した1日から、新見市千屋の千屋郵便局は配達員が管内のゆうちょ銀行利用者から通帳を預かり、貯金の引き出しを代行する事業を開始した。全国の52局で始まり、岡山県内では同郵便局のみ。

　高齢者世帯が多い山間部などでの事業。2007年の郵政民営化による分社化で、配達員は通帳を預かることができなくなっていたが、新会社発足でサービスを復活させた。

　千屋郵便局では集配区域約630世帯を対象に配達員が通帳を預かり、別の担当者が現金と通帳を後日届ける。この日は同局で朝礼を行った後、配達員4人が担当地区に出発。玄関で声を掛け、希望者から通帳を受け取って預かり証を交付した。

　千屋郵便局の集配区域にある同市菅生地区では1997年から菅生郵便局＝同所＝が高齢者世帯の支援事業で、安否確認を兼ねた代行サービスを実施していたが、民営化で取りやめに。千屋郵便局では電話依頼があった場合のみ、担当者が出向いて通帳を預かっていた。