独居高齢者宅に通報装置 年内設置へ 「孤独死ゼロ目指す」 年内に高崎市
2012年09月28日上毛新聞
高齢者の孤独死(孤立死)を防ぐため、高崎市は市内で一人暮らしをしている65歳以上の高齢者らの自宅に「緊急通報装置」と「安否確認センサー」を設置する事業に乗り出す。緊急時に近隣住民ら協力者に連絡が届くように設定し、地域ぐるみで高齢者を見守る体制を整える。高齢者の孤独死が全国的な社会問題となる中、市は早急に準備を進め、年内の運用開始を目指す。
緊急通報装置は体調不良時など救助を必要とする場合に本人がボタンを押して通報する。安否確認センサーは部屋の中に設置したセンサーが一定の時間、人の動きを感知できない場合に自動で通報する。
設置対象者は、一人暮らしの高齢者や同居者が疾病を抱えている高齢者のうち、親族がいないか親族による支援が日常的に受けられない人。市が毎年実施している基礎調査を基に対象者を確認し、設置を促す。
市が選んだ対象者以外にも市広報や回覧板などで周知を図り、希望があれば対応を検討する。
設置費用や利用料金は、親族がいない場合や親族の支援が得られない場合、市が全額を負担する。それ以外の場合は市が設置費用と利用料の一部を負担する。
市内の一人暮らしの高齢者は約9千人。市は現在、このうち希望者に対して、ボタンを押すと警備会社などに通報される緊急通報装置を設置している。今回の事業では市が必要だと判断した対象者に設置を働きかけるのが特徴だ。