見守りボランティア指導者募集へ / 広島
2012年09月04日読売新聞
地域で暮らす一人暮らしのお年寄りを住民が見守る仕組みを充実させようと、福山市はこの秋から、見守りボランティアを育てる指導者(インストラクター)を、福祉の専門知識がある市民から募る。今後高齢者が増えることから現在のボランティアでは手が足りなくなると予想され、また地縁や血縁がなく引きこもりがちな高齢者に対応する技術も求められる。(大森篤志)
市福祉総務課によると、現在見守りの対象としているのは、65歳以上の一人暮らしなど、1080世帯(3月末現在)。市民ボランティア約3500人が定期的に電話で連絡したり、新聞の配達状況を確認したりしている。現在の高齢化率は23.3%(7月現在)だが、2020年度には28.1%と予測され、見守る人手の確保が課題となる。
さらに、地縁や血縁がなく家にひきこもりがちな人や、地域とつながりを持ちたがらない人も増えつつあり、善意のボランティアだけでは対応しきれないケースも出てきているという。
インストラクターは、介護事業所などで働いた経験者などを対象に11月から募集。市内を6地域に分けて、計50人を目標に採用する。研修を経て、来年4月から、各地域でボランティア対象の講座を開いてもらい、「見守り支援員」を育てる。
ただ、インストラクターの対象となるのは、介護職など多忙な人で、活動は無償で交通費も支給されないことから、必要な人数が確保できるかが課題だ。
市は<買い物難民>の高齢者のために、近所の元気なお年寄りが代わりに買い物を担う制度を作ったが、ボランティアとして手を挙げる人が少ないという。今年度10学区で始める計画だがようやく1学区で話し合いが始まったところで、こちらも懸命に呼び掛ける。
市福祉総務課の松浦葉子課長は「市民の負担はあるが、地域に貢献したいという意識を持つ人は多い。見守り活動の後継者を確保したい」と話している。