高齢者安心の住居、安否確認や死亡時の葬儀などを代行 / 神奈川
2012年09月03日神奈川新聞
入居者に安心して賃貸住宅で生活してもらおうと、社団法人「かながわ住まい・まちづくり協会」(まち協、寶積泰之会長)は、安否確認や死亡時の葬儀などを親族に代わって行うサービスを3日からスタートする。孤独死の増加で賃貸住宅への入居を断られる高齢者も少なくないという。まち協は「貸主側の不安解消とお年寄りの住みやすい環境づくりに役立てば」と話している。
まち協によると、高齢者向けに賃貸住宅の情報提供や相談を行っている中で、相談が多いのは夫に先立たれた女性という。年金収入が減ることもあり、家賃の安いアパートに転居を希望しても、貸主側が孤独死のリスクや事後処理の費用負担を嫌がり、転居ができないケースが少なくないという。
まち協と神奈川新聞社は2009年3月、新聞配達による高齢者の見守りサービスの提供を開始。これまでに60世帯が利用しているが、貸主側からの「亡くなった際も対応してもらえれば、より受け入れやすい」との求めに応じ、サービスを拡充した。
「神奈川あんしんすまい保証制度」は、79歳未満で介護などを必要としていない入居者が対象。安否確認は、神奈川新聞購読者の郵便受けに新聞がたまっていた場合の通報や、入居者に緊急通報装置を貸与して行う。亡くなった場合には、葬儀の手配や緊急連絡先となっている親族らへの遺骨の引き渡し、住宅内に残された家財道具の片付けなどを行う。
基本プランは月額7090円(神奈川新聞購読料を含む)。契約金は約2万5千円で、1年更新。緊急通報装置を使うプランは料金が上乗せされる。問い合わせは、まち協電話045(664)6896。