安否確認必要1万1000人/県が高齢者の居場所調査
2012年08月19日四国新聞
外出の機会が少なく、安否確認が必要な一人暮らしの高齢者が香川県内で約1万1千人いると推計されることが香川県が実施した高齢者居場所実態調査で分かった。県は、高齢者の孤立を防ぐために、住民が中心となった高齢者の居場所づくりに努めてもらおうと、見守り活動に取り組む人材の育成などに乗り出している。
調査は本年度からの新規事業「一人暮らしの高齢者等対策事業」の一環で、県内の高齢者の生活実態を把握しようと、初めて実施。県内の65歳以上の高齢者約25万3千人のうち3万人を無作為に抽出し、1万9721人から回答があった。有効回答率は65.7%。
1週間のうち外出する頻度が「ほぼ毎日」と答えた人は42.5%。一方で「1~2回」または「ほとんど外出しない」と回答した人は計28.3%いた。このうち、一人暮らしの人は4.4%で、県内の高齢者人口に当てはめると約1万1千人と推計される。
自宅以外の落ち着ける場所について「必要」と回答した人は77.6%に上り、そういった場所が「ある」と答えた人は63.5%。二つの回答の差から、自宅以外に居場所が必要と感じながらそういった場所がない人の割合は14.1%で、県内で約3万6千人いると考えられる。
ほとんど外出しない理由としては「健康や体力に自信がない」が45.0%で最も多い。次いで「出かける用事がない」が34.5%。
香川県は6、7月に、地域で声かけ・見守り活動や高齢者の居場所となる拠点施設づくりに取り組む「地域支え合い活動リーダー」のほか、専門的な知識を持ち、地域の課題解決に当たる「地域支え合い活動アドバイザー」の養成講座を開催。研修の修了者には、声かけ活動や地域の居場所づくりの手引となる冊子を配布している。
県長寿社会対策課は「安否確認が必要な高齢者が多くいることが分かった。高齢者が安心して暮らせる仕組みづくりと人材育成に努めたい」としている。