家族へ高齢者おげんきメール / 青森

2012年07月04日東奥日報

 県社会福祉協議会が本年度から始めた一般の電話を使って高齢者や障害者の見守りをする「おげんきメールサービス」を、県内で初めて八戸市の83歳女性が利用することになり、4日、県社協の担当者が女性宅で利用方法などを説明した。同サービスは、利用者が指定された番号に電話をかけると、県社協内のコンピューターを介して家族らに「元気」とメールで知らせる仕組み。特別な機材を用いずに日常的な安否確認ができるため、県社協は今後PRに力を入れ、利用者を増やしていく考えだ。

 利用者第1号となった石渡靜枝さんは、次女が札幌市在住で、長女が亡くなって以来13年間一人暮らしをしている。健康状態に問題なく、定期的に民生委員や友人らの訪問を受けているが、東日本大震災を経験し「地震が来ると不安になる」と話す。

 石渡さんは2010年12月から3カ月間、県社協のモデル事業で同サービスを試験的に利用した。本年度からの本格運用を受け、利用を申し込んだ。

 4日、県社協の高橋金一事務局次長ら担当者から説明を受けた石渡さんは、自宅の電話から指定された番号にダイヤル。間もなく民生委員らの携帯電話に、石渡さんが電話をかけたことを知らせるメールが届いた。石渡さんは「一人暮らしで心細かったが、電話をかけるといろいろな人に連絡が届くので安心です」と話していた。

 同サービスは、利用者が基本的に毎日電話することになっており、48時間以上電話が来ない場合、県社協内の安心電話中央センターが利用者に電話し安否確認を行う。サービスの月額利用料は1500円。

 県社協は本年度、従来の緊急通報システム「福祉安心電話」(月額利用料千円)を拡充し「おげんきメールサービス」など三つの新サービスを開始した。現在、福祉安心電話は県内で約3千件、一般の電話ではなく専用の緊急通報システムとメールサービスを組み合わせた「安心電話おげんきメールサービス」(同2500円)は十和田市と野辺地町で計5件の利用がある。一方、最寄りの市町村社協が安否確認に加わる「おげんきみまもりサービス」(同2千円)は利用がないという。