一人暮らし高齢者 より身近に見守り / 神奈川

2012年04月26日朝日新聞


 高齢者の相談窓口を増やそうと、県は「地域包括支援センター」(※本文下参照)の補助機関として「サブセンター」を新たに設け、市町村に1カ所あたり上限100万円の補助金を出して設置を促す。市街地に置くことで、より身近な見守り拠点とする狙いもある。
 サブセンターは、県独自の呼称。介護保険法に基づく正規のセンターには社会福祉士、主任ケアマネジャー、保健師の三つの専門職がいる必要があるが、サブはこのうちの1人がいれば、設置できることにした。
 県はセンターを中学校区に一つ設ける目標をたてているが、今年3月末時点で県内には312カ所。サブを含めて2014年度末までに目標の380カ所を達成する計画だ。
 さらに、センターは郊外の特別養護老人ホームなどに併設されていることが多く、お年寄りを含めた住民が気軽に立ち寄れる場所には少ない。県は、より身近な団地の中などに「サブ」を置いてもらうことで、独居老人らの見守りを進めたい考えだ。
 横須賀市の県営浦賀かもめ団地では、空き店舗を改装し今春できた高齢者サロンをサブセンターにする計画がある。センター本体の職員が立ち寄り、常駐する自治会の役員らと情報交換を進めている。県高齢福祉課の小島誉寿(たかとし)課長は「お年寄りの情報は、地域の人との雑談から入ってくることも多い。自治会などと連携しながら、お年寄りの見守りをできれば」と話す。
 同課によると、県内の高齢化率は10年度現在で20・2%。このうち一人暮らし世帯は、約30万8000世帯にのぼる。
(佐藤陽)

※地域包括支援センター・・・地域介護の中核拠点として、高齢者や家族の相談窓口、介護予防の計画作り、虐待防止、ケアマネジャーの支援などを担う。2006年の改正介護保険法で導入された。全国約5000カ所を目標に設置が進められている。市町村が開設し、多くは委託された社会福祉法人や医療法人が運営している。