水道検針、料金徴収時の異変通報 /埼玉

2012年03月30日読売新聞

 各地で相次ぐ「孤立死」を防ぐため、蕨市が30日、水道の検針や料金徴収を業務委託している群馬県桐生市の情報サービス会社「両毛システムズ」(秋山力社長)と「地域の安全安心見守り活動に関する協定」を結ぶ。巡回する検針員が水道利用者の異変を察知した場合、速やかに市へ通報する。

 同社は2002年から業務委託を受けており、現在は検針員16人が約3万4400戸を担当し、2か月に一度訪問している。

 協定では、高齢者や障害者、子供らの見守り活動に協力するため、ポストに郵便物や新聞がたまっていたり、水道使用量に異常な変動があったりした場合は市水道部に通報する。住民から「虐待」や「家庭内暴力」などの情報が寄せられた際も報告する。情報を受けた市水道部は、福祉や警察などの関係機関に連絡して対応を協議する。さいたま市北区、川口市など周辺地域で「孤立死」が相次いだため、同社が「地域貢献として再発防止に力になれないか」と蕨市に提案した。市水道部の茂木和明部長は「見守り活動のチャンネルを増やす協定。民間の力は大きい」と話している。