孤立死防ぐヤクルトに6市町委託/埼玉

2012年03月24日読売新聞

 入間市小谷田の民家で孤立死の恐れがあった男性(45)が、22日に宅配に訪れた乳酸菌飲料「ヤクルト」の配達員の通報により救われたが、ヤクルトは、全国の自治体から委託を受け、安否確認など高齢者の見守りに取り組んでいる。地域住民を見守る民生委員が不足する中、民間のこうした活動が今後、孤立死を防ぐ一つの鍵になりそうだ。

 ヤクルトは、全国約150の自治体から、高齢者らの見守りを兼ねた配達の委託を受けている。約3600人の配達員が活動し、見守り対象の高齢者は約4万7000人に上る。県内では、本庄市や深谷市、神川町など6市町が委託しているという。

 また、配達員が、振り込め詐欺への注意喚起や事故抑止を配達先に呼びかけるなどの防犯協定は、大宮東署や春日部署など7警察署と締結している。

 狭山署も2月、今回通報した女性配達員、田中加奈子さん(29)が所属する販売会社「埼玉西ヤクルト販売」と同様の協定を結んでいた。同社は「人命救助につながったとしたら、迅速に配達員が通報した結果」としている。

 田中さんは22日昼頃、訪問先の民家で10日ほど前から新聞がたまっているのに気付き、狭山署に通報した。駆け付けた同署員が1階で死亡している母親(75)を発見。2階の部屋も調べると、布団の中で重度障害のある男性が見つかり、保護された。

 母親は病死で、死後10日ほどとみられる。男性は自力では生活できないため、通報がなければ、誰にも頼れずに餓死した可能性が高い。