独居高齢者:安否確認で松戸の2町会と診療所が提携 システム運用開始 /千葉
2012年03月06日毎日新聞
独居老人の孤独死を防ごうと、松戸市の幸谷町会と新松戸東町会はこのほど、地元の新松戸診療所(三浦聡雄所長)と提携した高齢者安否確認システムの本格運用を開始した。約1240世帯を抱える両町会が、増加する独居老人に対応するため国の補助金を活用して実施する。県内初の取り組みという。
同システムは、診療所に設置した「あんしん電話」から、町内の高齢者宅に三浦所長の声で健康状態を尋ねる電話が自動発信される仕組み。電話を受けた高齢者が、自身の健康状態について「異常なし」なら1▽「ちょっと心配」なら2▽「すぐ連絡を」なら3--を押すと、診療所のパソコンにそれぞれ青、黄、赤が表示される。
赤が表示された場合、同診療所がすぐに電話をかけ、具体的な状況を聞く。2日続けて応答がなかった場合は各町会に連絡し、待機しているボランティア(約30人)が駆けつける。
電話は週1回、高齢者が希望した曜日と時間にかけられる。開始時点での参加者は44人で、先月27日からの試用期間中には「黄色」が1回だけ点灯し、三浦所長が症状を聞いて来院を勧めた。三浦所長は「町内会の熱意で実施できた。今後、電話の回数を週1回からさらに増やすなど、より充実させたい」と話した。【橋口正】