独居高齢者見守りシステム導入へ 土浦市、身元を登録管理

2012年03月01日茨城新聞

 一人暮らしの高齢者を24時間見守るため、土浦市は2012年度、お年寄りの氏名や住所などの情報を登録・管理し、24時間対応で確認できるシステムを県内市町村で初めて導入する。急病などに備え、持病などの情報を記録したキットを自宅に保持してもらう事業にも取り組む。市高齢福祉課は「お年寄りに安心していただくための二重三重の対応」と説明している。

24時間対応の高齢者見守りネットワーク事業は、外出先で突然倒れたり、徘徊(はいかい)してしまったときなどに、身元などの情報を関係機関に迅速に提供するための態勢づくりで、一人暮らしや認知症のお年寄りを対象にする。

登録番号と同市地域包括支援センターの電話番号を記したキーホルダーをお年寄りに所持してもらい、万一の際には、第三者から同センターへの連絡を受けて、身元などの情報を医療機関や警察、緊急連絡先などに迅速に伝える。夜間や土日・祝日は、市職員の携帯端末に転送され、職員は携帯端末から登録情報にアクセスして、情報提供する。市は新年度予算案に300人分、35万円を計上している。

救急医療情報キット配布事業は、一人暮らしのお年寄りや障害者が自宅で倒れたときに、駆け付けた救急隊員らが迅速、適切な処置を行えるよう、「救急医療情報キット」を配布する。

主治医や持病、服用している薬などの情報を「情報シート」に記入し、健康保険証の写しなどとともにプラスチック製容器に入れて冷蔵庫に保管。さらに、キットを保持していることを示す保持者シールを、救急隊員らの目に留まりやすい玄関ドアの内側や冷蔵庫ドアの外側に張ってもらう。

市は1700人分の予算約59万5千円を計上。同様の事業は守谷市や石岡市で実施している。