端末で安否確認、一人暮らし高齢者見守り事業 モデル地区50世帯に配布へ / 徳島・神山町
2012年02月24日 毎日新聞
神山町は来月から、インターネットなどの機能を備えたタブレット端末で一人暮らしの高齢者の安否確認をする、新たな見守り事業を試行的に始める。タブレット端末の光センサーで人の動きを感知し、業務委託を受けるコールセンターに情報が伝えられ、異常があった場合には親族や町内の民生委員らに通報する。県によると、コールセンターを通した見守り事業は全国的にも珍しいという。
モデル地区として同町下分地区を指定し、高齢者が一人暮らしする50世帯に端末を配布。端末は玄関や居間、廊下など利用の多い場所に設置し、光センサーで人の動きを確認する。毎日午前10時になると、光通信回線を通して感知した情報が徳島市内のコールセンターに伝えられる。
動作が確認できない場合、センターが安否確認のための電話を入れる。電話もつながらなければ親族や近隣住民らに知らせ、直接駆けつけてもらう。高齢者自身がボタンを押すことで異常を知らせることもでき、町の行事などの情報を配信する機能も備わる。
町によると、町内の65歳以上の高齢者が人口に占める割合は44.3%(2月1日現在)で、下分地区では49.7%(同)に達する。町内には民生委員は数十人いるが、更に安否確認を充実させるのが目的。県の補助金2400万円を活用して来年3月まで運用し、本格的に導入するか検討する。
町の担当者は「年々、一人暮らしの高齢者世帯は増えている。タブレット端末を活用して、安心して暮らせる町作りをしたい」と話している。【山本健太】