一人暮らしのお年寄り支援 県が新事業/石川
2012年01月24日 朝日新聞
◆買い物宅配・雪かき・傾聴・ゴミ出し◆
県は新年度から、一人暮らしの高齢者の買い物や雪かきなどを支援する「安心生活サポート事業」を始める。高齢者だけの世帯が増え、近所づきあいも薄れる中、孤立しがちな高齢者を行政が支えるのが目的だ。
~*補助金や人材育成も*~
「従来の隣近所の支え合いを補完する『新たな共助』として、高齢者の日常生活サポート体制の充実を図りたい」。谷本正憲知事は年頭の記者会見で、新事業の狙いをそう説明した。
2012年度にはまず、企業やNPOなどが行っている生活支援サービスの中から幾つかを選び、「モデル事業」として補助金を出すなどの助成をする。対象事業は、食品などの宅配サービス▽除雪ボランティアの派遣▽電球取り換えやゴミ出しの代行サービス▽自宅を訪れて様々な話を聞く傾聴ボランティアの派遣、などを想定している。
並行して、専門家などによる検討会をつくり、高齢者がどんな生活支援サービスを求めているかを調査。その結果も踏まえて、13年度からはサポート事業を全県に広げたい考えだ。
一方で、除雪や傾聴などのボランティア要員を育てる研修も実施。研修を終えた人材を登録し、各地の高齢者の要望とマッチングする仕組みもつくる。
県内の一人暮らしの高齢者(65歳以上)は約3万6千人で20年前の2.7倍、高齢者だけの家庭は約4万4千世帯と2.3倍に増えている。核家族化や少子高齢化が進んでいるためだ。
県はそうした高齢者の孤立化を防ぐため、今年度から新聞配達や水道・電気の検針をする企業と協定を結び、各戸を訪れた際に異常があれば行政に連絡してもらう仕組みづくりを開始。医療や介護サービスなどの利用実績がない高齢者を調べ、保健師が家を訪れて安否や健康を確認するモデル事業も4市町で始めている。
(生田大介)