高齢者に優しい食事…栄養価、食べやすさが重要

2011年12月24日 読売新聞

弁当宅配で安否確認も

 高齢者向けに調理された食品が、介護食を含めて充実してきた。「軟らかい」「食べやすい」「栄養価が高い」などがキーワードだ。弁当の宅配サービスも盛んになっており、高齢者の安否確認にも役立っているそうだ。(経済部 磐淵幸雄)

試食して確認

 東京・新宿区にある「国立国際医療研究センター病院」のリハビリテーション科医長の藤谷順子さんは、市販の「介護食」などを選ぶポイントは「自分の目で見て、実際に試食、栄養価を確認する」ことという。パンフレットの写真と実際に見たものは違うといった例もあり、注意が必要だ。

 食感や味に加え、チェックしたいのが栄養価だ。一般に食が細い高齢者は、たんぱく質やビタミンなどが特に不足しがちだ。ゼリー状の栄養補助食品などを通常の献立に取り入れると、効率良く摂取できるという。

 森永乳業グループの「クリニコ」が販売する「エンジョイおかずゼリー」はビーフシチューなどをゼリー状にした補助食だ。食欲がない日もスルッと胃に入り、ムリせず必要な栄養が補える。

レンコンも軟らかく

 高齢者用に調理された市販品は確かに手軽だが、「毎食では経済的な負担も大きいでしょう」と藤谷さんは話す。タケノコやレンコンなど、家庭では軟らかくしづらい食材に絞って買うと、安上がりで済む。

 イーエヌ大塚製薬の摂食回復支援食「あいーと」は酵素を使った独自技術で、レンコンなどの形や味は変えず、舌で崩せるほど軟らかくした=写真=。

同じ担当者で安心

 毎日同じ料理では飽きる、という人には日替わりの宅配サービスもお薦め。「ワタミタクショク」では「まごころスタッフ」が毎夕、手作り弁当を届けてくれる。無料で安否確認も行う。担当者が変わらない安心感が、お年寄りに人気という。