高齢者の安否、メールで確認/長野

2011年11月28日 読売新聞

千曲市 来年度から「SOSネット」

 長野県千曲市は来年度から、電子メールなどを使い、一人暮らしの高齢者らの安否確認を一斉に行う「高齢者見守りSOSネットワーク」を県内で初めて導入し、来年4月からの運用を目指す。

 徘徊(はいかい)などで行方が分からなくなった場合も、警察など関係機関に一斉に連絡し、素早く捜索できるようにする。

 市はシステム購入費など1000万円を計上した一般会計補正予算案を市議会12月定例会に提出する。

 市介護保険課によると、市内には一人暮らしや夫婦2人の世帯など、支援が必要と登録した高齢者(要援護者)が約2500人いる。これまでは、民生委員が電話などで1軒ずつ安否を確認し、時間や手間がかかっていた。また、行方不明の高齢者が出た場合、屋外放送をしているが、聞き取りにくいとの声が多かった。

 見守りSOSでは、メールやファクス、電話で要援護者に連絡し、要援護者が返信すると安否確認ができる。電話の場合、音声ガイドに従ってボタンを押すと、市側で確認できる。複数回の連絡に返信がなければ、民生委員や医療・介護関係事業所、警察、消防、タクシー会社などに情報が一斉配信され、捜索できる。

 また、災害時の避難先などにも一斉配信できるようにする。配信先は特定地域の住民だけを対象とするなど、状況に応じて変える。

 市によると、配信された側が返信する機能(安否確認)を組み込んだ福祉目的の一斉配信システムは、県内で初めてとなる。