テレビ電話で安否見守り 赤村/福岡

2011年11月25日 西日本新聞

 独り暮らしの高齢者宅に置いた端末を使い、安否確認が毎日できる「高齢者の見守り事業」を赤村がスタートさせた。インターネットを使った多機能テレビ電話で高齢者と役場、民生委員を結び、安否確認以外にも緊急時の連絡が迅速にできるシステム。村は「九州の自治体では初の導入ではないか」としている。

 今月1日に始まった同事業では、75歳以上で独居の高齢者25人と、10人の民生委員の家に端末を設置。高齢者は毎朝、画面に表示された「タッチ」の文字を触ることで、役場に「おはようコール」が届く。事前の連絡がないまま2日間、役場にコールがない場合は職員や民生委員が高齢者宅を訪問し、異常がないかどうかを確かめる。

 村ではこれまで、地域の区長による広報誌配布や、住民団体の配食サービス、訪問看護などを通じて安否を確認してきた。だが、最も回数の多い訪問看護でも週2、3回程度。「緊急事態に備え、確認の回数をどう増やすか」が課題だった。

 端末のテレビ電話は、緊急時には画面の「役場」の文字を触るだけで通話ができ、素早く異常を伝えられる。役場では所管の住民課そばに端末を設置した「コールセンター」を構えたほか、夜間にも対応できるよう宿直室にも端末を置く。

総事業費は約730万円。高齢者同士がテレビ電話で会話することもでき、同課の三橋茂敏課長は「会話で寂しさを紛らし、見違えるように表情が明るくなった人もいた。さらに端末の機能を充実させ、安心の生活環境を整えたい」と話した。