国勢調査 県内の独居高齢者急増、既婚20代は少数派/茨城
2011年11月22日 茨城新聞
県内で1人暮らしの高齢者が7万5363世帯に急増し、全世帯に占める割合が6.9%と過去最高を記録し、20代後半の女性の未婚率も56.6%に上昇─。5年に1度の国勢調査(2010年10月1日現在)の確定値を分析すると、“超少子高齢化”が一層加速している実態が浮き彫りになった。高齢者の「孤独死」防止や、若者の結婚.子育て支援などの対策が急務となっている。
■「孤独死」を懸念
本県の65歳以上の人口は前回調査の5年前から8万8793人増え、66万5065人。県人口に占める割合は3.1ポイント増の22.5%に達した。うち75歳以上は4万8374人増の31万4974人で、県都.水戸市の人口26万8750人を軽く超え、10人に1.1人が75歳以上となった。
家族の中に65歳以上がいる世帯も5年前より14.0%増え、43万5917世帯。県内108万6715世帯の40.1%を占めるまでになった。
今回の調査で、特に増加が著しいのが高齢者の1人暮らし世帯数だ。5年前より1万8559世帯も多い7万5363世帯に達し、増加率は32.7%。
細かくみると、75歳以上の1人暮らしは37.6%増の3万9169世帯、うち85歳以上に限ると57.8%増の9650世帯。実におおよそ県内110世帯のうち1世帯は85歳以上のお年寄りが1人で暮らしており、誰にも気付かれないまま亡くなる「孤独死」の増加への対応が、深刻な課題として浮上した。
県長寿福祉課は「孤独死は一層増えるだろう。市町村などと協力し、配食サービスなど1日一度は誰かと顔を合わせる仕組みづくりが重要」と受け止めている。
■20代男性7割未婚
未婚率の上昇も高齢化率と同様、止まらない。本県の25?29歳の未婚率は、1975年で男性46.4%、女性16.9%だったが、調査ごとに伸び、今回は男性70.4%、女性56.6%に上った。29歳以下の既婚者は男女ともに少数派だ。
25~29歳女性の未婚率の推移をみると、80年に2割を突破し、90年35.1%、95年43.6%と急上昇、00年に5割を突破した。同じく男性も85年に6割、05年に7割を超えた。
ほかの年代の未婚率も高まり、今回は30?34歳が男性48.1%、女性31.6%。35~39歳は男性36.5%、女性19.8%、40~44歳は男性29.3%、女性13.4%だった。
県少子化対策室は「未婚率の上昇は、女性の高学歴化や若者の将来不安など複数の要因が考えられるが、少子化に歯止めをかける大きな一歩は結婚。経済的な不安解消をはじめ、結婚や子育ての楽しさをPRしていきたい」としている。