首都大東京とシステムクラフト、高齢者見守りシステムを開発/立川

2011年11月15日 朝日新聞

 首都大学東京の山口亨教授とシステムクラフト(東京都立川市、谷津明社長、042・527・6623)のグループは、システムを安価に構成できる宅内向け高齢者見守りシステムを開発した。

 転倒を検出するセンサータグとスマートフォン(多機能携帯電話)を連動させ、介護者に通知する。価格は一般家庭の場合に一部屋当たり10万円を目指す。2013年度中の事業化が目標。

 身に付けた加速度センサーのパターンから就寝や歩行など被介護者の状態をモニターする。

 大きな加速度変化の後に動かないなど、加速度パターンを分析して転倒と判定する。これまで大きな加速度を異常と判定してきたが、転倒の前後パターンまで取得領域を増やし判定精度を約8割から9割に向上。加速度センサーを無線ネットワーク「ZigBee」でつなぎ、台所やトイレなど発信場所を特定できる。

 米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」やロボット機器に接続しやすいインターフェースを採用した。転倒の検出と通知であればスマートフォンでシステムを構成でき、導入コストを抑えられる。

 カメラや人感センサーを搭載した見守りロボットと組み合わせれば、被介護者の生活記録から行動パターンを分析して支援プログラムを選ぶなどの高度なシステムを作れる