安否確認システム:ストップ!高齢者の孤独死 松戸・幸谷町会、診療所と提携 /千葉

2011年11月10日 毎日新聞

 ◇来年2月から、電話で毎週健康確認

 「独居老人が孤独死しないように」と、松戸市の幸谷町会(伊藤久美子会長)が来年2月から、地元の新松戸診療所と提携した高齢者安否確認システムの運用を始める。診療所に設置した「安心電話システム」から、町内の約480人の高齢者に電話を自動発信。高齢者がプッシュホンで健康状態を回答する仕組み。県高齢者福祉課は「町会が独自に行う例は珍しい」としている。

 電話は当初、希望の曜日と時間に週1回かけられる。高齢者が自身の健康状態について「異常なし」なら1▽「ちょっと心配」なら2▽「すぐ連絡を」なら3--を押すと、同診療所のパソコンにそれぞれ青、黄、赤が表示される。

 赤になった場合、同診療所がすぐに高齢者宅に電話し、具体的な状況を聞く。また応答がなかった場合、診療所から町会に連絡が入り、待機しているボランティア10人が高齢者宅に駆けつける。国の「地域支え合い体制づくり事業」の補助金を得て実施され、電話代は診療所が負担するという。

 このシステムは、同市のどうたれ内科診療所の堂垂伸治院長が07年、約70人の通院患者との連絡のため、工学院大の管村昇教授と共同開発。09年、数理技研が製品化した。堂垂院長は「町会でのこうした取り組みによって『助けてほしい』という声を上げられない人の声も届くことになる。全国に広まってほしい」と語った。【橋口正】