遠隔地の家族、タブレットで見守り NTT西日本
2011年09月06日 日経新聞
NTT西日本は遠隔地に住む家族や友人が元気かどうかをタブレット端末で見守るサービスを始める。普段は端末をデジタルフォトフレームとして室内に立て掛けておき、内蔵のカメラで人の動きの有無を検知する仕組み。テレビ電話やメールもできる。9月末から来春まで実証実験し、2012年度のサービス開始を目指す。
新サービスの名称は「ゆるコミ」。NTT西が整備した次世代ネットワーク(NGN)と、インターネットの次世代規格「IPv6」をともに活用する初めての本格的サービス。大容量のデータを常時安定的にやり取りできる通信網の整備で可能になった。
高齢の親など離れた家族間の利用を主に想定しており、人の動きがあるとカメラが自動的に検知し、もう一方の家族に通知する。プライバシー保護のため室内の画像は直接送らず、画面上のアバター(分身)で元気かどうかを伝える。テレビ電話やメールのほか、タッチパネルを使って手書きのメッセージも送れる。
サービス利用にはNTTの光回線「フレッツ光ネクスト」への加入と「IPv6」への申し込みが必要。タブレット端末はNECの「LifeTouch(ライフタッチ)」を使う予定で、価格は今後詰める。端末の購入後の基本サービスは無料にする方針。実証実験で消費者のニーズを見極め、有料のオプション追加も検討する。
NTT西は光回線サービスが主力だが、加入者の伸びが鈍化している。パソコンなどでインターネットを頻繁に使う利用者向けのサービスは堅調に推移する一方、IT(情報技術)機器に弱い消費者層の開拓が課題となっている。高齢者や子どもでも使いやすい新サービスを投入し、加入者の裾野を拡大したい考えだ。