韓国でも孤独死が急増
10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本

2011年08月01日 朝鮮日報

 今年2月、忠清南道・牙山のあるマンションで遺体が2体、同じ日に別々の家で発見された。
 亡くなったパクさん(65)とイさん(52)は、2人とも家族と離れて一人で暮らしていた「単身世帯」で、高血圧などの持病を患っていた。当時出動した警察は、パクさんは死後3日、イさんは7日以上たっていたと推定した。典型的な「孤独死」だ。

 単身世帯が急速に増加している中、日本で問題になっている「孤独死」が韓国でも頻繁に発生している。マンションやオフィステル(賃貸などでオフィスにも住居にも使える部屋)などでは、200‐300人が壁1枚を隔てて暮らしているが、この空間では伝統的な「隣人」の概念が消えて久しい。ソウル・新村にある230室規模のオフィステルに住んでいるホさん(34)=会社員=は、ここで3年ほど暮らしているが、警備員以外には近所の人と一度も話をしたことがない。隣で暮らす住民も顔を知っているだけだ。ホさんは「オフィステルで暮らしていると、あえて隣人のことを知る必要もなく、自分のことを知ってほしいとも思わない。隣の人が倒れたとしても、ドアを開けて悲鳴を上げない限り、気が付かないだろう」と話した。

 日本と同様に、韓国の一人暮らし世帯の割合も、老人、青年、壮年層の区別なく急増している。

 統計庁によると、2010年の韓国の単身世帯数は403万世帯で、世帯全体(1733万世帯)の23%に達している。30年前の1980年には単身世帯の割合は4.8%にすぎなかったが、90年には9%、2000人には15%に増加した。30年間で5倍、20年間で2倍以上増加したことになる。単身世帯の増加速度は、政府の予想をはるかに超える。09年末、統計庁は30年に単身世帯の割合が23%を突破すると見込んでいたが、政府の予測よりも20年も早く単身世帯が急増したことになる。

 延世大学社会学科のキム・ヨンハク教授は「富裕層と比べ、生活困難層になるほど社会的ネットワークが弱まっている。『人脈の二極化現象』が韓国でも急激に進んでいる」と話した。