「4人家族」モデル崩れる 1世帯の平均、2.46人に
10年国勢調査 社会も新たなひずみ

2011年06月30日 日経新聞

 1世帯当たりの人数は2.46人、およそ半分の世帯は一人暮らしか夫婦のみ――。調査では縮みゆく世帯の姿が浮き彫りになった。長く日本の標準モデルだった「夫婦2人と子供2人」という家族像は崩れつつある。

 1世帯当たりの人員を示す世帯規模は統計を取り始めた1960年の4.14人から減り続け、5年前の2.55人からさらに減少した。世帯の総数は5092万と、初めて5千万世帯を超えた。

 背景にあるのは一人暮らし世帯の急増だ。現在、一人暮らし世帯数は1588万世帯。子供のいる夫婦世帯(1458万世帯)を初めて上回った。増加が目立つのが65歳以上の一人暮らし。高齢女性の5人に1人、高齢男性の10人に1人が単身で暮らしている計算だ。

 世帯の縮小は社会に新たなひずみを生む。近所付き合いの希薄な都市部では、誰にもみとられずに亡くなる高齢者の「孤独死」が相次いでいる。前回調査から68万世帯増えて546万世帯に上った高齢夫婦世帯では、心身が衰えた高齢者同士で支え合う「老々介護」が目立ってきている。

 家族の支えを前提とした従来型の介護は成り立ちにくくなっており、同居家族が担ってきた役割を社会全体で補う必要が強まっている。24時間体制の訪問介護サービスの充実や、見守り機能付きの高齢者住宅の整備などが急務になっている。

 晩婚化も一人暮らし世帯が増えた原因だ。35~39歳の未婚男性の割合は34.6%と前回調査から8.4ポイント上昇し、3人に1人が独身だ。女性も前回調査で30~34歳の未婚者は4人に1人の割合だったが、今回の調査では3人に1人になった。