センサーで安否確認 高齢者宅15軒に設置 みなべ町新町地区/和歌山
2011年05月19日 紀伊民報
情報通信技術(ICT)を活用して高齢者の安否を確認しようという取り組みで、モデル地区となった和歌山県みなべ町新町地区の15軒に冷蔵庫やトイレの開閉状況をキャッチするセンサーが取り付けられ、稼働している。同町や田辺市などでつくる「シニア見守り協議会」の事業。新町地区以外でも設置希望者を募っていく考え。
総務省の「地域ICT利活用広域連携事業」に、NPO情報セキュリティ研究所(田辺市新庄町)が応募し、採択された。事業を行うために昨年9月、田辺市やみなべ町など広域で同協議会を発足させ、冷蔵庫などのドアにセンサーを取り付けて安否を確認したり、テレビ電話を設置したりする取り組みをしている。
センサーは「早朝から午後5時までに一度も開け閉めされない」などの異変があれば、管理している企業に連絡があり、緊急連絡先として指定されている近隣住民や家族などに知らせる仕組み。
協議会事務局の同研究所によると、みなべ町では高齢者を見守るために地域住民でつくる「新町セーフティーネット(SSN会)」に呼び掛け、希望者を取りまとめてもらい、4月20日までにセンサーとテレビ電話をそれぞれ15軒に設置した。田辺市や白浜町も合わせるとセンサーは91軒、テレビ電話は42軒に設置している。
トイレのドアにセンサーを設置しているみなべ町北道の女性(90)は「一人暮らしで心細い中で、新町セーフティネットの方から話があり、ありがたいと思い設置させてもらった。もしもの時のお守りのようで心強い」と話す。
同研究所の臼井義美代表理事は「センサーを設置している91軒のうち、1日1回はいずれかから異変の知らせが届いている。外出していたなどの理由で、これまでは大事に至ったことはないが、十分に機能は果たしていると考えている。設置箇所を増やしたいと考えており、希望する人がいれば連絡を頂けたら」と話している。
問い合わせは同研究所(0739・26・7100)へ。