佐井村“安心ネット”本格運用/青森
2011年05月07日 東奥日報
佐井村が光ファイバー通信網と情報通信機器を活用して公共情報を発信したり高齢者らの安否確認などを行い、安心・安全な地域づくりを目指す「見守り・告知ネットワーク」などの運用が今月、正式に始まった。
ネットワークは、都市部との情報格差解消などが目的の「ユビキタスタウン構想推進事業」の一環で2009年度から着手。全村に光通信網を整備し、防災無線と同様の災害情報などを音声で伝える「IP告知端末」と、行政情報の発信や高齢者の安否確認などに使う7インチ液晶画面のタッチパネル機器「小型画像情報端末」(愛称・サイボード=佐井村の案内板)を村内888戸に無償設置した。総事業費は約5億3千万円で大部分は国補助金だ。
2日、村役場での記者会見では、村と連携協定を結ぶ青森公立大の香取薫教授(地域研究センター長)が、村民の利用料負担がないことや、高齢者が使いやすい簡単操作の機器で高い利用率が見込めることなどを指摘した上で「佐井の取り組みは非常に独創的」などと強調。太田健一村長は「分かりやすい情報を提供していきたい」と語った。
3月以降、サイボードを活用して試験的に催しや検診、公共交通の運休などの情報を提供し、村民の関心が高い統一地方選の開票結果も速報した。村役場への年金や子育てなどさまざまな分野の相談受け付けも運用開始し、画面上のボタンを押せば担当者から順次、連絡が来る。
個人や集落など伝える相手を絞り込んで、行政側が情報発信することも可能なため、サイボードで見守りが必要な高齢者の安否確認も行う。対象者に「お変わりなく過ごされていますか?」などとメッセージを発信、高齢者側が画面に触れて応答する方法を採る。