孤独死:1人暮らし高齢者の6割「身近な問題」 県が3団地で調査/神奈川
2011年04月06日 毎日新聞
県が県営3団地で1人暮らしの高齢者らを対象に実施した調査で、6割強の人が孤独死を身近な問題として感じていることが分かった。県は「今後も孤独死の発生が危惧される」と分析し、見守りや買い物支援といった孤独死防止の取り組みを検討する。
調査対象は、いちょう上飯田団地(横浜市泉区)▽浦賀かもめ団地(横須賀市)▽横内団地(平塚市)。調査は昨年12月、1人暮らしの高齢者らに対して実施し、孤独死への意識や日常生活について尋ねた。回答は945世帯からあり、回収率は78.8%だった。
孤独死を身近な問題として感じるかどうかは、「非常に感じる」が30.8%、「まあまあ感じる」が31.7%で、計62.5%が身近な問題ととらえていた。今後受けたいサービスについては「緊急時に自分で操作する通報装置」の26.6%が最多で、「訪問による会話や相談」の17.1%、「センサーなどを利用した自動通報装置」の14.3%などが続いた。
また、団地の自治会役員や民生委員を対象にした意識調査も同様に実施し、88人が回答(回収率78.6%)。孤独死に関わった際に困ったこととして、「合鍵がなく、部屋に入るのが困難だった」が86.5%、「緊急連絡先がすぐには分からなかった」が54.1%に上っていた。
県によると、県営住宅223団地で誰にもみとられず亡くなった「孤独死」は、09年度、56件あった。【木村健二】