体調考え個々の弁当 高齢者向け配食サービス/和歌山
2011年03月29日 紀伊民報
和歌山県の旧田辺市地域で4月から市の高齢者向け配食サービスを請け負う民間業者が、独自の取り組みとして利用者個々の持病や体調に合わせた調理法や献立を提供する。配送員は介護経験者らで、利用者の安否確認など見守り活動にも貢献する。
田辺市はこれまで配食サービスを市社会福祉協議会などに委託していたが、旧市では民間による配食サービスが普及してきたため、来年度から民間業者への委託を決めた。給食事業を運営する「フジコーポレーション」(田辺市稲成町)が1年間運営する。旧町村部では引き続き社福協が実施する。
同事業所では昨年11月から個別対応の配食サービスを開始。田辺市や上富田町の介護マンションなど施設単位で提供してきた。
1食500キロカロリー前後に計算した同一の献立が基本で、糖尿病や高血圧など持病に適した調理法や食材を用いる。おかずの大きさも粗めに切ったり、粒状に刻んだりしたものを選べる。固形物がないようすりつぶしたものもある。ごはんは白飯のほか、やわらかめに炊いたものやかゆに設定できる。アレルギーなどにも対応する。
サービスは昼食のみ。配送員が利用者の自宅を回り、利用者に会って弁当を渡す。安否確認も兼ねているため、不在の場合は事務所と連携しながら連絡が取れるまで確認を続ける。
同社の藤田晃弘代表(34)は「個別宅配に向け配送員を増員したが、介護経験など高齢者への気配りのある人を重視した。高齢者福祉に貢献し、地域のニーズに応えていきたい」という。
配食サービスは、宅配料を含めて1食500円。1週間単位の申し込みを予定しているが、当面は1食単位で申し込める。問い合わせはフジコーポレーション(0739・33・7239)へ。