高齢者安否など映像で確認 町内全域にテレビ電話/鳥取

2010年12月28日 日本海新聞

 鳥取県智頭町と若桜町は、テレビ電話機能の付いた双方向の告知端末を、町内の各家庭などに設置する。行政情報の連絡や高齢者の安否確認などが映像と音声ででき、より精度の高い情報が送れる。「テレビ電話」を町内全域に設置するのは県内で初めて。来年4月から運用する。

 告知端末は受話器、小型カメラ、マイク、7インチのカラー液晶タッチパネルを装備。タッチパネルでは静止画や動画が再生でき、町民同士でテレビ電話が無料でかけられる。

 行政情報の連絡のほか、高齢者や寝たきりで電話が取れない人でも、端末の電話番号を民生委員宅などの端末に登録しておけば自動的に着信し、映像と音声でお年寄りの様子が確認できる。

 急病などの緊急時には、患者の映像を消防署のテレビ電話に送り、患者の状態を正確に把握して的確な応急処置が可能になる。

 国の地域情報通信基盤整備事業で実施し、国から3分の1の補助がある。希望者が対象で智頭町では全2800世帯のうち2600世帯、若桜町では全1500世帯のうち1350世帯に設置。いずれも来年3月には設置を終わり、4月から運用する。事業費は智頭町が12億円、若桜町が8億3千万円。

 智頭町企画課の岡田光弘企画室長は「木材の市況や天気予報など日々変わっていく情報を流したい。映像で何ができるか職員研修もしながら検討したい」と話している。