「高齢者見守り」伸び悩み=8年で230件―東京ガス

2010年12月28日 朝日新聞

 一人暮らしをする高齢者の安否を確認できるよう、風呂やコンロなどガス機器の使用状況を家族に知らせる東京ガスのサービス「みまも~る」が伸び悩んでいる。2002年10月のスタートから8年余り。今年2月には月額利用料を1543円から987円に引き下げたが、利用は約230件と低迷したままだ。

 このサービスは、見守り対象者の自宅のガスメーターに通信装置を取り付け、電話回線を通じて東京ガスが24時間体制で監視。毎日約1時間ごとのガス使用量を契約者にメールや専用ホームページで知らせる仕組み。月額利用料のほか、加入料5250円がかかる。離れて住む高齢の親を心配し、息子や娘が契約する例が多いという。

 契約者は国内外どこにいてもいいが、見守る対象は、同社がガスを供給している東京周辺の1都6県に住んでいる人に限られる。地方で一人で暮らす高齢者を取り込めないことが、利用伸び悩みの一因のようだ。

 同様のサービスはLPガス事業者や電力会社も行っているが、利用状況はどこもぱっとしないという。東京ガスの担当者も「サービスの対価としてはぎりぎりまで下げたのに」と、普及の突破口を探しあぐねている。