新聞店、高齢者ら見守る 配達、集金時に所在確認 21日開始/福島
2010年12月17日 福島民報
福島県喜多方市は21日から、新聞販売店などによる安心見守りネットワークづくり事業「さすけねっと」をスタートさせる。福島民報などを扱う加藤新聞店など市内全域の7販売店が系列を越え、市と協定を結んで毎朝の配達時などに高齢者らの生活に目を光らせる。
「さすけねっと」は「問題ない」を表す会津弁「さすけねえ」とネットワークを掛けた。
配達や集金の際に、訪問先や周辺住宅の玄関に数日分の新聞がたまっていたり、応答のない日が続いた場合は市役所に通報する。市がその日のうちに職員を派遣し安否を確認する。
加藤新聞店の加藤伸顕社長は「近所とのつながりが薄くなっているのを感じる。新聞をとっていない家まで目を届かせるようにしたい」と意気込む。
これまで同市は民生委員による戸別訪問や緊急通報システムで高齢者の生活状況を確認してきた。市高齢福祉課は「互いを気に掛ける社会づくりのきっかけにしたい。販売店の方々には新聞と一緒に優しさを届けてほしい」と期待する。今後は訪問業務や集金を行う他業種にも協力を呼び掛けていく方針だ。
同課によると、現在市内に住む65歳以上の高齢者約1万6千人のうち、一人暮らしまたは高齢者のみで暮らす人は約4千200人で4分の1を占める。