コープさっぽろ、配食サービス事業参入/北海道

2010年10月28日 毎日新聞

◇高齢者対象、一部地域で 安否確認も

 生活協同組合コープさっぽろ(札幌市)は、主に高齢者を対象とした配食サービスを札幌市、岩見沢市などの一部で開始した。食品の共同購入や戸別配送など宅配サービスの豊富なノウハウや実績を生かし、加速する高齢化社会に対応した生活密着型ビジネスを拡大する狙い。徐々に配達エリアを広げ、2012年度末には全道展開したい考えで、3年後に1日5万食の配送を目指す。【鈴木勝一】

 配食サービスは高齢者や自分で食事を作ることが困難な人に食事を配達するサービス。高齢者向けのサービスは地方自治体が民間業者に委託する形で実施されている。

 コープさっぽろも、すでに帯広市では市の委託業者として配食事業を手掛けているが、今回は行政の助成は受けず、一人暮らしの若者や単身赴任者など、高齢者以外でも幅広く利用できるようにした。

 配達は週3~5回で、1食当たり590円の「普通食コース」と同498円の「低カロリー食コース」の2コース。ご飯とみそ汁は自分で作るという要望が多いことから、基本はおかずのみで、ご飯は別料金(1食当たり90円)で追加できる。配達先でお年寄りらの異変に気づいた時は親族らに知らせる安否確認もする。


◇12年度に全道展開

 サービスが始まったのは札幌市北区、東区、石狩市、岩見沢市、小樽市。高齢者比率が高い地域を先行的にスタートさせたといい、初日の25日には471世帯に計568食が配送された。11年2月には札幌市西、中央、豊平、手稲、白石区の5区に、同4月には同市清田、厚別、南区の3区と江別市にエリアを広げる。

 札幌市によると、市内の高齢者には市の委託業者9社が約2000人に配食サービスをしている。道内でも仕出し弁当業者などが幅広く参入しているといい、道外では居酒屋チェーンのワタミが配食サービスを展開している。

 札幌市北区の配食業者は「コープのような規模の大きい事業者の参入は脅威。企業努力が必要になる」と業者間の競争激化を懸念している。