口内センサーで高齢者の安否確認 県工技センター/兵庫

2010年10月27日 神戸新聞

 主任研究員の才木常正さん(40)と瀧澤由佳子さん(40)。通信技術などを活用してお年寄りが会話をしていることが分かれば、安否確認の自動化が可能になると考えた。

 動きを感知する「加速度センサー」に着目。歯科矯正用のマウスピースに小型センサーを取り付け、研究員が実際に口にはめて実験を重ねた。

 口を動かすとセンサーはあごの上下左右、前後の動きに加え発声などによる骨振動もとらえる。これらを周波数解析すると、会話をしているのか、歩いているのか、睡眠中か‐など、装着者の状態が把握できるという。

 試作品のセンサーにはデータ送信用の線がつき、大きさも厚さ1.5mm、縦5mm、横10mmあるが、県立大学大学院の研究チームと連携して無線化と小型化を進める。高齢者の義歯に埋め込み、自治体の福祉担当者らにデータを送って安否確認する仕組みを想定している。

 「個人のプライバシーを守りながら、高齢者の安否確認や病気予防など、安全と健康をサポートするシステムに育てたい」と才木さん。県内の中小企業と組んで、商品化することを目指している。