水道検針員が声掛け 高齢者の安否確認 小野/兵庫

2010年10月27日 神戸新聞

 高齢者の所在不明や孤独死などが問題となる中、「小野市水道お客様センター」の業務を請け負っている施設管理会社「日本管財環境サービス」(西宮市)は10月から、市内の90歳以上の独居高齢者宅の水道メーターを検針する際、声掛けを始めることにした。

 小野市では2004年度から、水道利用者に対応する同センターの業務を同社に委託。水道の検針には、同社と個人委託契約を結んでいる検針員が回っている。

 これまでは、屋外に設置されたメーターを確認して使用量や料金などを記した紙をポストに入れるだけだった。その際、水がほとんど使われていなかったり、異常に使われていたりした場合、福祉部門に連絡をして対応していたが、今後は呼び鈴を鳴らし、「お変わりはないですか」などと声を掛ける。

 現在、小野市内の90歳以上の独居高齢者は43人。検針員は安否確認チェックシートに確認日時や確認の有無、気付いた点などを書き込み、同市水道部を通して同市高齢介護課へ報告する。

 10月から同社社員が検針時の訪問の案内を、独居高齢者宅に持って回り、サービスの趣旨を説明し、協力を呼び掛けている。説明を受けた独り暮らしの女性(90)は「1人なので分からないことも多い。声を掛けてくれたら助かります」と話していた。(高田康夫)