情報通信で高齢者支援 県立大が実証実験開始へ/岩手

2010年10月19日 岩手日報

 県立大社会福祉学部の小川晃子教授ら研究グループは、情報通信技術(ICT)を活用した生活支援型コミュニティーづくりの実証実験を県内4カ所で始める。お年寄りが電話機を使って、自ら健康情報を発信する安否確認システムを活用し、買い物代行や外出補助などの生活支援を実施。認知レベルや身体状況に応じた「見守り」の在り方も探り、地域での互助機能の組織化を図る。

 実証実験は滝沢村、盛岡市の松園地区と桜城地区、宮古市の川井地区が対象。計200人の利用を目指し、年度内にも動きだす。

 小川教授らは、孤独死の増加などが深刻化する中、地域や社会でお年寄りを見守る環境づくりを目指し、08年に電話機を利用した安否確認システムを構築した。電話機から1日1回電話し、自動音声に従って「1元気」「2少し元気」「3具合が悪い」「4話したい」のいずれかを選択、発信する仕組み。現在、県内の約200人が利用している。

 今回の実証実験では、同システムの「4話したい」を活用。各市町村の社会福祉協議会や福祉施設などが送迎や配食、買い物代行などお年寄りが求める内容を確認し、民生委員や民間事業者などに支援を依頼する。安否確認に加え、日常生活に密着した支援を行うことで、地域の特性に合わせた見守り体制をつくりたい考えだ。