高齢者の見守り センターに専属コーディネーター
池尻、北沢など10カ所に配置/世田谷

2010年10月18日 東京新聞

 世田谷区は11月から、高齢者の相談窓口になっているあんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)の一部に、見守りサービス専属のコーディネーターを1人ずつ配置する。本年度は、池尻や北沢、用賀など10カ所での試行。
コーディネーターは、地域で使える見守りサービスの情報を集約、独り暮らしや高齢者世帯のお年寄りに、積極的に利用を促して回る。 (松村裕子)

 コーディネーターとなるのは、ケアマネジャーや社会福祉士、看護師ら。これまで把握できていなかったものまで含め、町会やボランティアグループ、地域限定で活動する団体が行う配食や、話し相手になるといった見守りサービスを調査し、情報をまとめる。

 その上で、相談に訪れたお年寄りには、健康状態を確認してサービスを提示。相談窓口やサービスを知らない人、相談に行くのを面倒くさがる人に対しては、自宅などを訪問して適切なサービスを紹介する。

 区が前年度に65歳以上の全高齢者約15万人を対象に行った実態調査では、見守りを希望した高齢者は回答者約10万人中、およそ1割の約1万人。センターの存在を知っていたのは回答者の5割に満たなかった。
このデータを受け、区では相談に来るのを待つだけでなく、積極的に啓発に乗り出すことにした。

 区は「見守りを通じ、認知症など状態の悪化に早い段階で気づくことが、安心安全につながる」とし、本年度の効果をみて、来年度以降、全27センターへのコーディネーター配置を検討する。

 区内には70歳以上の独り暮らしが約1万1400人、70歳以上の高齢者だけの世帯が約6600ある。